いじめの隠蔽をしにくい制度設計を

いじめを隠蔽した学校関係者を厳しく処分する懲戒規定を、全国の学校で制度として敷くことを提案する。

いじめの隠蔽をしたり、隠蔽を指示した教員や教育行政の職員は、公金横領や物理的セクハラ同様、懲戒免職を標準とするべきだ。

まず、今回の事件では、マスメディアは、隠蔽があったのかどうかを力をいれて取材すべきだ。また、マスメディアの報道によるいじめ被害者の連鎖自殺を防ぎ、本当にいじめ加害をやりにくくするために、「被害者かわいそう」よりも「加害者わるい」の方に重点をおく必要がある。

連鎖自殺がおきるかもしれないから、いじめについての報道を控えるのではない。そうすると、いじめの問題化がしぼみ、加害者は行為をやりやすくなってしまう。「被害者かわいそう」に焦点をあてることを避けながら、大々的に報道すべきである。

いじめ加害者の悪に焦点を当て、いじめ加害者の責任に焦点を当てる報道をする必要がある。また、いじめ隠蔽者を厳しく処罰することを求める報道をする必要がある。「口止め工作」をした教員や校長・教頭は懲戒免職というのを、日本の常識にしたい。(内藤朝雄)


以下、毎日新聞HPより
http://mainichi.jp/select/today/news/20100303k0000e040031000c.html

中2自殺:いじめ示唆のメモ公開 市教委は「確認できず」
2010年3月3日

女子生徒の自殺について会見で報告する清瀬市教育委員会=東京都清瀬市で2010年3月3日午前10時2分、津村豊和撮影 東京都清瀬市立中学2年生の女子生徒(14)が2月に自殺した問題、同市教委は3日記者会見し、女子生徒がいじめを受けていたことを示唆するメモの全文を明らかにした。市教委はいじめの有無について調査を進めているが「今のところ確認されてない」と説明した。

市教委によると、メモは女子生徒が2月15日に自宅マンション7階から飛び降り自殺した後の同26日、女子生徒の遺族から渡された。女子生徒の自筆で、「学校にいる時間 私には苦痛を感じる」「学校なんか行きたくない 皆が敵に見えるから」「朝 7階から飛び降ります。それか薬物大量摂取」「お父さん お母さんごめんなさい」などと書かれていた。

特定の個人を非難するような文言はないが、周囲から悪口を言われていることをほのめかす表現もあった。

記者会見には市教委の中村泰信教育部長や池田和彦指導課長、女子生徒が通っていた中学校の校長の3人が出席。冒頭、校長が「かけがえのない命を失ったことを大変重く受け止めている。保護者につらい思いをさせ本当に申し訳ない」と謝罪した。いじめがあったかどうかについて池田課長は「生徒から聞き取り調査をしているが、今のところ確認されていない」と述べた。

また、自殺について同級生が「(学校から)口止めをされた」と証言していることに対し、校長は「口止めはしていない」と否定。自殺の公表が遅れたことに池田課長は「警察の捜査の推移を見守っていた」と釈明した。

両親からの訴えを受けた学校・市教委は1日に父親も同席したうえで、臨時保護者会を開き、同級生から事情を聴くことの了承を得て調査を進めている。【青木純、野口由紀、山本将克】

◇「真相解明して」女子生徒の父親
女子生徒の両親は3日、自宅で突然の娘の死へのとまどいや学校の対応への不信感などを語った。

父親(52)は「事前に異変はなかった。どうして死んだか分からない。真相を解明してほしい」と訴えた。母親(53)も「何が彼女を絶望させたかを知りたい」と憔悴(しょうすい)し切った表情で話した。

いじめを示唆するメモは2月25日に見つかり、翌日に警察に届け出た。1日の臨時保護者会に出席した父親は自ら手を挙げ、女子生徒が亡くなった時に着ていた血の付いたワイシャツを手に、メモを読み上げ、真相解明を訴えた。学校側から「傷つくからやめてほしい」と言われたといい、隠そうとする姿勢に不信感を募らせている。