「いつもの識者」を入れ替えよう

まずは以下の記事を読んでいただきたい。

性的欲求? 自分の存在誇示? 児童狙う事件に識者は‥‥
女児が裸で倒れていた千葉県東金市の資材置き場付近を捜索する捜査員ら。女児は死亡が確認された=21日、午後、千葉県東金市(小野淳一撮影)
幼い児童や園児が狙われる凶悪事件が後を絶たない。千葉県東金市で21日、市内の保育園、成田幸満ちゃんが全裸で倒れ、死亡しているのが見つかった。3日前には福岡市で小1男児が殺害される事件が起こったばかり。なぜ子供が狙われるのか。識者に聞いた。
元警視庁捜査1課長の田宮栄一氏(75)は「子供を狙った犯罪は、まず幼児性愛者による可能性がある」と指摘。そのうえで「大人とうまく付きあうことができない若者が、自分の欲望を満たそうと子供に向かうのではないか」と話す。
さらに「複雑な社会にうまく適応できない若者が不満を抱え、自分より弱い者に刃を向けるケースも考えられる」とも述べた。
また、福島章上智大名誉教授(犯罪心理学)は「最近は、社会から疎外された気持ちを強めた若者が自分の存在を誇示する手段として、遊び感覚で、手っ取り早く自分よりも弱い子供を狙う犯罪が多い」と分析。「マスコミで事件が取り上げられることで、自分が有名になり、何か達成感を得たような気持ちになっているのではないか。こうした傾向は30代までの世代に強い」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080921-00000931-san-soci
9月21日20時52分配信 産経新聞


いつもの識者は、何の根拠もなしに、犯人を若者と決めつけている。
マス・メディアは、なぜ、こういう質の低い識者を使うのか?
質の高い専門家なら、十分なデータがない場合は、「わからない」としか答えないだろう。
「わからない」としか答えない識者は、マス・メディアにとっては使いにくい。
大衆が聞きたいことを的確に虚言する識者が、いつものコメントの人になる。
こういうわけで、マス・メディアでコメントする識者に関していえば、悪貨が良貨を駆逐するような「市場メカニズム」がはたらく。


それにしても、犯罪心理学の研究者であるはずの福島章が、「最近は、…多い」といっている発言には、驚いた。
以下のグラフの「幼女強姦被害者数」をご覧いただきたい。


http://kangaeru.s59.xrea.com/G-youjyoRape.htm
(管賀江留郎のサイト「少年犯罪データーベース」より)


まるで、外科医が盲腸の位置の左右をまちがえるようなスキャンダル。
犯罪学の専門家として売っている人物が、犯罪学のイロハについて、無知蒙昧なのだ。
マス/メディア各社は、これからも福島章を「いつもの識者」として使い続けるのか。


メディア各社は、「いつもの識者」に福島章を使うのをやめて、管賀江留郎を新規採用したらどうだろうか。
彼なら、正しいことを面白く語ってくれるだろう。


内藤朝雄