武田教授が正しい。毒がばらまかたのは事実なのだから

武田邦彦教授が正しい。

東電によって毒がばらまかれたのが事実なのだから。
その毒がばらまかれた地域の野菜を食べるのは危険だ。
人の命を大切に思う側であれば、当然の指摘である。

市長の一関市の勝部修市長の方が、人命軽視の発言が問題視されるはずだ。

「地元」など存在しない。存在するのは放射性物質で脅かされた一人一人の人間である。

一部産業の利益と土地のイメージを一体化して、それを擬人化したイメージが「地元」である。
市長は、人の命よりも、そのような「地元」を優先している。そんな市長は、人命を軽視しているとしか言いようがない。市長は、一部産業の代表としてではなく、一人一人の人が生きるための装置としての地方行政の長として不適格だ。


読売テレビ(本社・大阪市)制作の番組で「(岩手県)一関市には放射性物質が落ちている」などと発言したとして、同市の勝部修市長は、中部大の武田邦彦教授に抗議のメールを送ったことを読売新聞の取材に対して明らかにした。

『読売新聞』HPより
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110907-OYT1T00524.htm(2011年9月8日取得)

「東北の野菜や肉で健康害する」教授に地元抗議

 番組は「たかじんのそこまで言って委員会」で、東北の一部では4日午後1時半から放送された。同市によると、小学生からの「東北の野菜、牛肉を食べたら僕らはどうなるの」との質問に対し、武田教授は「今、生産するのが間違っている。東北の野菜や牛肉を食べたら健康を害するから、捨ててほしい」などと発言。他の出演者が反論したが、武田教授は発言を取り消すつもりはないとしたという。

 岩手県内では放送されなかったが、市民の情報提供で発覚。インターネットで確認した勝部市長が6日、「地元自治体の首長として強く抗議する。本当に発言を取り消す考えはないのか」とメールを送ったという。

 武田教授は読売新聞の取材に対し「メールはまだ届いていない。生産者の利益ではなく、子供たちの健康を守ることを考えた。間違った発言ではない」と話した。読売テレビ総合広報部は「武田教授を批判する意見も取り入れている。番組を通して見てもらえば、問題のある内容とは思わない」としている。

(2011年9月7日13時30分 読売新聞)

朝日新聞』HPより

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201109070190.html(2011年9月8日入手)
http://megalodon.jp/2011-0908-1334-07/www.asahi.com/special/10005/TKY201109070190.htmlウェブ魚拓2011年9月8日作成)

2011年9月7日12時28分

「東北の野菜や牛肉、健康壊す」教授発言に一関市長抗議関連トピックス原子力発電所  岩手県一関市の勝部修市長は6日、読売テレビ大阪市)系列の番組で中部大の武田邦彦教授が一関市を挙げて「東北の野菜や牛肉を食べたら健康を壊す」などとした発言を取り消すよう抗議のメールを送った。さらに、「農家の感情を逆なでする非常識な発言である」とのコメントを発表した。

 武田教授は4日午後に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」で、「東北の野菜とか牛肉を食べたら僕らはどうなるの」という子どもからの質問に対し、「もちろん健康を害する」「今生産するのが間違っている」などと発言。ほかの出演者が「発言を取り消すべきだ」と反対したが、「取り消しません」と応じた。番組は同日、秋田、宮城両県でも放送された。

 武田教授は「メールが届いていないため、再度送ってくれるよう一関市にお願いした。抗議の内容は報道を通じて聞いた。自分の発言は、放射能汚染されたものは出荷しない良心的な農家の感情を逆なでするものではないと思う。大人たちは、子どもに東北産の食べ物の汚染を心配させている事実を問題とすべきだ」と話している。武田教授は原発や地球環境問題についての著書が多数あり、テレビのバラエティー番組にも出演。原子力安全委員会の専門委員も務めたことがある。

 読売テレビによると、6日夕方までに視聴者から約50件の電話があり、うち35件が抗議の内容だったという。同局は「他の出演者の発言を含め、番組全体をご覧いただければ、現在の安全基準の問題などについて真摯(しんし)に議論した内容と理解していただけると考えている」とコメントした。


農業は、特別に神聖なものではなく、金融業や、自動車産業や、建設業などと同じ、さまざまある産業のうちの一つ以上でも以下でもない。命よりも農業が大切というのは、とんでもない


過去のブログ記事「細野豪志よ、日本中の農地に放射能をまいて国民を内部被曝させる気か」
http://d.hatena.ne.jp/izime/20110815
でも次のように書いた。


すでに福島県原発周辺は東電の加害行為によって人が住めない場所になってしまった。加害者が東電であり、それによって土地が汚染されて危険な場所になってしまった現実を認めるところから出発しなければならない。

被害を少なく見積もれば補償の予算も少なくてすむという政府の利益と、自分たちの加害行為を少なくみつもらせたい東電の利益が結びつくのが一つ。

それに、「福島の土地は生きている」「福島の土地を守ろう」という集合的生命イメージの幻想が結びつく。

歴史的に見ると、いつも集合的生命主義イメージと政治的腐敗はもちつもたれつでやってきた。一人一人の命を越えた崇高なる国家、地域、郷土といったイメージをうまく使って、一人一人の人間にとって悲惨なことをさらに繰り返すのだ。

土地はあくまでも一人一人の人間のためにある。土地が放射能で汚染されたのであれば、その土地はもう使えない。そこでは住めないし、そこでつくった農作物は人を殺す毒物になる。

放射性物質を他県に移動すれば、まだ汚染されていない土地が汚染され、そこに住むのは危険になる。そこでつくられた農作物は毒物になる。

大切なのは一人一人のかけがえのない命である。「福島!」だの「日本!」だの、国境やら県境やらで線引きされた土地が擬人化されたイメージではない。

大切なのは一人一人の命である。