細野豪志よ、日本中の農地に放射能をまいて国民を内部被曝させる気か

細野豪志よ、日本中の農地に放射能をばらまいて国民を内部被曝させるつもりか

細野氏、汚染がれきの県外処分も 福島原発事故

2011年8月13日 12時15分


 細野豪志原発事故担当相は13日、東京電力福島第1原発周辺のがれき処分に関して「福島県を最終処分場にすべきではない」と述べ、放射性物質で汚染されたがれきの県外処分を検討すべきだとの認識を示した。福島県庁の原子力災害現地対策本部を視察後、記者団に語った。

 対策本部の視察では、菅直人首相が公債発行特例法案などの成立後に退陣する意向を明言したことに関連し「(原発事故対応は)絶対に途切れてはいけない課題だ。空白をつくらないよう菅政権が終わる日まで手を抜かない」と強調した。

 細野氏は就任後、毎週末に福島県入りしており、今回で7週連続の訪問となる。

(共同)

東京新聞HPより
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011081301000329.html(2011年8月15日入手)


すでに福島県原発周辺は東電の加害行為によって人が住めない場所になってしまった。加害者が東電であり、それによって土地が汚染されて危険な場所になってしまった現実を認めるところから出発しなければならない。
被害を少なく見積もれば補償の予算も少なくてすむという政府の利益と、自分たちの加害行為を少なくみつもらせたい東電の利益が結びつくのが一つ。
それに、「福島の土地は生きている」「福島の土地を守ろう」という集合的生命イメージの幻想が結びつく。

歴史的に見ると、いつも集合的生命主義イメージと政治的腐敗はもちつもたれつでやってきた。一人一人の命を越えた崇高なる国家、地域、郷土といったイメージをうまく使って、一人一人の人間にとって悲惨なことをさらに繰り返すのだ。

土地はあくまでも一人一人の人間のためにある。土地が放射能で汚染されたのであれば、その土地はもう使えない。そこでは住めないし、そこでつくった農作物は人を殺す毒物になる。
放射性物質を他県に移動すれば、まだ汚染されていない土地が汚染され、そこに住むのは危険になる。そこでつくられた農作物は毒物になる。

大切なのは一人一人のかけがえのない命である。「福島!」だの「日本!」だの、国境やら県境やらで線引きされた土地が擬人化されたイメージではない。

大切なのは一人一人の命である。
当然、福島原発周辺の人たちへは高額の補償をすべきである。お金がないから逃げられない、子どもを逃がすことができない、といった人たちを一人たりともだすべきではない。

基本的には福島原発事故は、5分で命を失うか、5年で命を失うか、15年で命を失うかの違いであって、三宅島の噴火と同じである。避難が基本だ。

予算を割きたくないから避難をしぶって、東電によって危険な場所になったことを伏せて、「福島を処分場にするな!」と日本中の土地を汚染して新たな被爆者を増やす。

細野豪志がやっていることは、そういうことだ。

自分がやっていることがわかっているのだろうか。


まず、避難者には事故前の年収の2倍になるぐらいの生活条件を補償して転居できるようにする。これを東電からの財産没収分と、それで足りない場合は政府の予算で確実にやる。農業を天職として生きてきた農家には、事故前の年収の2倍になる程度の西日本の土地を国有地を農地化するなり、購入するなりして提供する。福島避難民特権ともいうべき特権を創設し、医療費タダ、学費タダ、懇切丁寧な就職支援、失業保険は北欧並み、にする。それが、被曝させた被害者に対する心のこもった補償である。

そのうえで、放射能汚染が高くて人がすめなくなった原発周辺地域を瓦礫の墓場とする。原発のものは原発に返す。これ以上被曝によって将来健康を害したり死んだりする人を増やさない。

これが原則だ。

瓦礫の県外移動(厳密にいえば放射能汚染が低い場所への移動)は禁止しなければならない。

それから産廃業は暴力団が関与していないかどうか気になる業界だ。暴力団が関与していたら、日本中に放射性物質が不正にばらまかれる。福島の原発事故を機に、産廃業界からの暴力団のしめだしをしなければならない。




★追記(8月16日)

【死の分布の差をならして平等にして責任を回避する】「福島県外でもまんべんなく人を病死させて、原発との距離によって死の分布に統計的な差が出ないようにすればするほど、事故の責任を軽くすることができる」という利害講造を背景にこういうことがなされていると仮定すれば、細野豪志はじめ関係者一同はジェノサイドの罪で終身刑になってもおかしくない。

【予言】
くりかえすが、世界中の海が汚染されて被害がでたら、日本は厳しく責任をとらされ、原子力マフィアは滅びる。そのとき、事故後の内部被曝による多くの死に対して、ニュルンベルク裁判なみの厳しい責任追及が起きる。もし国際社会に対して日本が原発事故関連の部分限定主権放棄をしていた場合、何万人規模の確率的殺害に対しては、終身刑もありうる。
 将来、日本は世界各国に放射能汚染被害を与えたことが非難され、世界の世論から原子力マフィアと癒着した構造が非難され、国際社会から原子力マフィアの解体という条件をつきつけられることになる。このことは、ここで予言しておく。
 これがトピック限定の暫定的世界政府に繋がることを、私は世界市民として期待する。日本が暫定的世界政府成立のアンカーとなって主権を部分的に放棄することで、人類の歴史が次の段階に進むステップになることを望む。

日本にはもう、十分な事故対策資金も、作業可能な作業員の数も、ない。原発事故は、日本の能力を超えてしまった。黙っていても破滅するだけだ。原発事故は、日本国内だけでなく、世界中に被害を与える。たとえば、世界中の海を回遊する大型魚類の漁業は、日本近海だけでなく、全世界で壊滅するだろう。ハワイや西海岸、中国、ロシア、朝鮮の人々も被曝し、健康被害がでるだろう。多くの人が寿命を短縮させられる。とくに子どもと胎児が死ぬ。原発事故対策は、日本の問題ではなく、人類の問題となる。ちょうど宇宙人が攻めてきたときのように、全人類が人類の名のもとに国家を越えた対策本部を設置しなければならなくなる。これがトピック限定の暫定的世界政府である。日本政府がこの暫定的世界政府に主権をあけわたすことによって、原発事故対策の資金と、優秀な人員が、世界中から集まることになる。これは、日本の国益にも一致している。というよりも、これしか日本が生き延びる手段はない。日本は、原子力マフィアの徹底的な断罪を条件に、世界の資金と人員によって救われるのである。世界に助けてもらう条件の一つが、原子力マフィアの一掃であることはまちがいない。

原子力マフィアは国内では無敵の強さを誇っているが、カリフォルニアで流産率が上昇してアメリカ国民が怒っただけで、あっという間に滅ぼされる。日本国内でしか権力を有さないローカル・マフィアごときは、それほど弱く、滅びやすい勢力なのだ。東電はアメリカ議会へのロビーとしては、それほど大きな勢力でもないだろう。保身を第一に考える役人や政治家たちは、沈みかけた船から脱出するネズミのように、原子力マフィアをみかぎった方がいい。

わたしが海外発信を強く勧める背景には、このような考え方がある。また、わたしが今回の件で強気なのも、闘っているのがしばらくすると滅びる相手だからだ。わたしは勝てないとわかっている相手とは闘わない。しかし多くの日本のエリートたちは、原子力マフィアを勝てない相手と誤解して、保身の計算を間違えている。

ただ、原子力マフィアが滅びるまでの間に、多くの子どもたちが内部被曝で死ぬ。これを少しでも減らしたい。だからこんなにいっしょうけんめいやっているのだ。



アメリカは、原発輸出の利権を日本から取り上げたがっているという仮説もある(内田樹氏などが雑誌で主張している)。もしそうだとすれば、日本の庶民にとってはありがたいことだ。アメリカは危険なビジネスで金持ちになればいい。日本の庶民はそこそこ貧乏でも安心して健康に暮らしたい。損して得とれである。放射能で命を脅かされて生活するよりは、そこそこ貧乏な方がいい。貧乏は、健康を害する貧困のレベルにさえ行き着かなければ、そんなに悪くはない。

アメリカに対しては利権をめぐって対立しない方がいい。太平洋戦争も満州利権からアメリカを追い出した分不相応なやりすぎが禍根となった。戦争や原発のようなあぶないことは、どうぞどうぞとアメリカの親分にやらせて、日本は平和と安全を謳歌した方が利益になるのだ。最初はCIAのエージェント(ポダム松太郎!)などを使って子分にやらせた原発を、やっぱり親分が商売に使うからとりあげたいというなら、それは大歓迎だ。




★追記(2011年8月17日)埋め立ての基準は10万ベクレル/kg!、瓦礫をフィルターなしで焼却許可

埋め立ての基準はありえない巨大な数値だ。人の口に入るものの産地が埋め立て地の近くにある場合、周辺の農作物と水によって多くの人が死ぬ(slow death)かもしれない。フィルターなしで焼却するのを許可するということは、焼却灰が周辺にまきちらされ、統計的に病死する人が増えるのを許可するということだ。

 環境省は14日、福島県内の放射性物質に汚染されたがれきの焼却後の処理について、放射線を遮蔽(しゃへい)して一時保管するよう要請していた汚染濃度の高い焼却灰のうち、放射性セシウムが1キロあたり10万ベクレル以下なら埋め立て処分を認める方向で検討を始めたことを明らかにした。これまでは道000ベクレル以下の場合に埋め立てを認めていた。同日、開かれた安全性検討会で議論されたが、「基準」が緩和された格好となるため、住民の理解を得ることが課題となりそうだ。

一方、排ガス用のフィルターがついていないタイプの既存施設でも汚染がれきの焼却に問題がないことが報告された。ほぼ全ての焼却場で処理が可能になるという【江口一】

                         『毎日新聞』2011.07.15 大阪朝刊 

さらに、農林水産書は肥料・土壌改良材・培土の基準を400ベクレル/kg、家畜用飼料300ベクレル/kg、養殖魚用飼料100ベクレル/kgとした。

農林水産省の通知
http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/saigai/shizai.html

1.暫定許容値の設定


(1)肥料・土壌改良資材・培土中の放射性セシウムの暫定許容値


肥料・土壌改良資材・培土中に含まれることが許容される最大値は、


400ベクレル/kg(製品重量)


(肥料等を長期間施用しても、原発事故前の農地土壌の放射性セシウム濃度の範囲に収まる水準。この水準であれば、農地への施用作業時の外部被曝が廃棄物再利用のクリアランスレベル(10 µSv/年。平成23年6月3日原子力安全委員会決定)を下回る。)


ただし、


1) 農地で生産された農産物の全部又は一部を当該農地に還元施用する場合


2) 畜産農家が飼料を自給生産する草地・飼料畑等において自らの畜産経営から生じる家畜排せつ物又はそれを原料とする堆肥を還元施用する場合


3) 畜産農家に供給する飼料を生産している農家等が、当該飼料を生産する草地・飼料畑等において、当該飼料の供給先の畜産経営から生じる家畜排せつ物又はそれを原料とする堆肥を還元施用する場合


においては、この限りでない。


(2)飼料中の放射性セシウムの暫定許容値


1)牛、馬、豚、家きん等用飼料中に含まれることが許容される最大値


300ベクレル/kg(粗飼料は水分含有量8割ベース、その他飼料は製品重量)


(飼料から畜産物への移行係数、食品中の暫定規制値(放射性セシウムについては、乳200ベクレル/kg、肉500ベクレル/kg)及び飼料の給与量から算出。)


ただし、乳用牛(経産牛及び初回交配以降の牛)又は肥育牛以外の牛のうち、当分の間、と畜出荷することを予定していない牛に給与される粗飼料であって、その生産者自ら生産したもの、又は、単一若しくは近隣の複数の市町村内で耕畜連携の取組等により生産したものについては、例外的に3000ベクレル/kg(水分含有量8割ベース)まで使用を認める。この飼料を摂取した育成牛は、肥育牛として12ヶ月以上肥育した後にと畜出荷すること。


2)養殖魚用飼料中に含まれることが許容される最大値




100ベクレル/kg(製品重量)


(飼料から水産物への移行係数、食品中の暫定規制値(放射性セシウムについては、魚500ベクレル/kg)及び飼料の給与量から算出。)


※製品重量とは、配合飼料等、家畜に給与される製品段階の重量とする


がれきと肥料と汚泥で、一億総被曝政策が進められている。政府は国民の死にやすさをブルドーザーで一様にならすつもりのようだ。
60年前に戦争の責任を一億総懺悔でならして無責任体制を維持したように、今回の原発事故でも一億総被曝によってもののあはれ」に流し込んで終わりにしようとしている。








スターリンの言葉
「人の死は悲しいことであるが、それが百万人の死となると、単なる統計にすぎない」






★【実名で責任をとらせる】以下の記事(引用文の太字にした箇所参照)が本当だとすれば、ロガノフスキー氏らを門前払いした伊澤正ウクライナ大使とその意志決定に関与した大使館員たちに、その意志決定への具体的寄与に応じた責任をとらせなければならない。

このような意志決定をする人物たちが政府の責任ある地位にいてはならない。

コンスタンチン・ロガノフスキー/Konstantin Loganovski

ウクライナ医学アカデミー放射線医学研究センターのトップが明かす

これから子供たちに起きること

被曝によって、がんや白血病に罹るリスクが増すといわれる。では脳にはどんな影響があるのか。チェルノブイリ事故が起きたウクライナで、15年間調べ続けてきた研究者に聞いた。



被曝した子供たちには言語能力、分析能力の低下が見られた

「残念なことですが、チェルノブイリ原発事故によって住民や作業員に起きたことは同じように福島でも起きると、私は思います」

ウクライナ医学アカデミー放射線医学研究センター(キエフ市)のコンスタンチン・ロガノフスキー氏はこう話す。氏が所属する放射線医学研究センターは、1986年4月26日にソ連(現ウクライナ)で発生したチェルノブイリ原発事故で放出された放射性物質が人体にどのような影響を与えるかを調べるために、同年10月につくられた施設だ。200人の医師、1500人のスタッフがおり、ベッド数は534床ある。チェルノブイリ事故の人体への影響に関して研究している組織や機関は多数あるがここは最大規模だという。ロガノフスキー氏は、このセンターの精神神経学部門のトップを務める人物である。氏はこれまでどんな研究をしてきたのか。

「私がテーマにしているのは、チェルノブイリ事故によって放出された放射線が及ぼす中枢神経への影響と、被曝者のストレス、PTSD(心的外傷後ストレス渉障害)などです。対象としているのは原発作業員、避難民、汚染地域の住民などで、とくに力を入れているのは、事故当時に胎児だったケース。いま23歳から25歳となっていますが、彼らが5〜6歳の頃から私はずっと追跡調査をしています」



あのときお腹の中にいた子たち

ロガノフスキー氏はチェルノブイリ原発が事故を起こしたとき、まだ医学部の4年生だったが、卒業後、このセンターに就職して、以来25年間、研究を続けている。氏の妻もここで小児科医を務めていて子供の被曝について調べているという。

氏のオフィスの壁面にはチェルノブイリ原発事故の写真が貼り付けてあるそれを指差しながら氏はここと福島の類似点を説明する。

「いまチェルノブイリ原発では放射性物質を完全に封じ込めるための工事が新たに進められています。石棺化した4号炉をさらにドームで覆ってしまうというものです。これを担当しているのはフランスの会社ですが、私はここで働いている作業員の医学面のケアもしています。

チェルノブイリで起きたことと福島であったことはよく似ている。事故後、最初にヨウ素が放出され、その後セシウムストロンチウムが検出されるという流れもまったく同じですから。違いは福島には海があって、ここには河しかなかったことぐらいでしょう。したがってチェルノブイリ事故の後、住民や作業員に起きたことを見ていけば、これから福島でどういうことがあるか、わかるはずなのです」

日本でいま最も心配されているのは、胎児や子供たちの健康への影響だろう。それについて、ロガノフスキー氏が解説する。

チェルノブイリは、広島に落とされた原爆のケースに比べれば被曝線量は低い。しかし深刻な内部被曝の被害者は多数います。甲状腺がんや神経系の病気の増加や、言語能力、分析能力の低下も見られました」

これら能力には左脳の関わりが深い。氏はその機能低下の原因について、次のように分析している。

「言語能力には脳の2つの部位が関係しています。ブローカ野とウェルニッケ野です。いずれも左脳にあります。脳の中でも最も重要な部位の一つといえるでしょう。私はここが損傷しているのではないかと考えています」



女性のほうが放射能の影響を受けやすい

ロガノフスキー氏らの研究チームが11歳から13歳までの被曝した子供たち100人を被曝していない子供たち50人と比較したところ、とくに左脳に変化が生じていることがわかった。氏は「母親の胎内における被曝体験が精神疾患を引き起こしたり、認知能力の低下をもたらしたりする」と述べ、脳波の変化と知能の低下も見られたと指摘する。

「被曝していないグループの知能指数の平均が116に対して、被曝したグループは107。つまり10程度ぐらいの差がありました。私の妻もrural-urban(地方・都会)効果を加味した調査、つまり地方と都会の教育格差を考慮した形の調査を実施しましたが、結果は同じで被曝者のほうが同程度低かったのです」

つい先日もロガノフスキー氏はノルウェーに出張してオスロ大学の責任者に被曝と知能の関係に関する研究の成果を聞いてきたばかりだという。

ノルウェー旧ソ連の国々を除くとチェルノブイリ事故の被害を最も受けた国です。この研究結果でも胎内で被曝した成人グループの言語能力は被曝していないグループに比べ低いと指摘していました」

胎児に関する研究でもう一つ気になるのは統合失調症をテーマにしたものだと、氏は話す。

長崎大学医学部の中根充文名誉教授によると、原爆生存者の中に統合失調症の患者が増えており、胎児のときに被曝した人の中でもやはり患者が増えているという。ただ中根さんはこの病と被曝が関係あるという証拠がまだないと話していました。1994年のことです。統合失調症は左脳と関連があるといわれており、私たちも長崎大のものと同じような内容のデータを持っています」

ウクライナだけで20万人いろというチェルノブイリ事故の処理に当たった作業員たちの中にも、精神を病む人が出ていると、ロガノフスキー氏は言う。

精神障害者は少なくありません。そのなかにはうつ病PTSDが含まれています」

氏のチームの調査によって、自殺に走る作業員が多いことも判明した。

「私たちはエストニアの作業員を追跡調査しましたが、亡くなった作業員のうち20%が自殺でした。ただエストニアはとくに自殺は悪いことだとされている国なので、自殺した人間も心臓麻痺として処理されることがあり、実数はもっと多いのかもしれません」

精神的な病に陥るのは何も作業員に限ったことではない。京都大学原子炉実験所の今中哲二助教が編纂した『チェルノブイリ事故による放射能災害』によると、ベラルーシの専門化が調べた、同国の避難住民の精神障害罹患率は全住民のそれの2.06倍だった。また、放射能汚染地域の子供の精神障害罹患率は汚染されていない地域の子供の2倍だったという。

ロガノフスキー氏は被曝によって白血病やがんの患者が増えるだけでなく、脳など中枢神経もダメージを受けると考えているのだ。それは15年にわたる様々な調査・研究の成果でもある。

その他にどんな影響が人体にあるのだろうか。氏は様々な病名を挙げ続けた。

「作業員に関して言えば圧倒的に多いのはアテローム動脈硬化症です。がんも多いのですが、心臓病や、脳卒中に代表される脳血管の病気も増えています。白内障も多い。目の血管は放射線のターゲットになりやすいからです」

さらに氏は遺伝的な影響もあるのではないかと考えている。

チェルノブイリ事故の後、その影響でドイツやフィンランドダウン症の子供が増えたという報告がありました。しかし、IAEA国際原子力機関)やWHO(世界保健期間)はその研究に信憑性があると認めていません。ただ、私たち専門家の間ではなんらかの遺伝的な影響があると考えられています。小児科医である私の妻はチェルノブイリ事故で被曝した人々の子供や孫を調べましたが、事故の影響を受けていない子供と比較すると、はるかに健康状態が悪いことがわかりました。つまり被曝の影響は2代目、3代目、つまり子供やその子供にも出る可能性があるということです」

放射線の影響についてもっとはっきりしていることがある。それは「性差」で、氏によれば、「女性のほうが放射線の影響を受けやすいのだ」という。

「それは間違いありません。うつ病、内分泌機能の不全は女性のほうがずっと多い。チェルノブイリには女性の作業員がいたが、私はそういう点からいっても女性はそういう場で作業をやるべきではないと思っています」



低線量でも浴びれば健康を害する

では、これから福島や日本でどんなことが起こると予想できるのか。ロガノフスキー氏は慎重に言葉を選びながら、こう話した。

「女性に関しては今後、乳がんが増えるでしょう。肺がんなどの他のがんの患者も多くなると思います。作業員では白血病になる人が増加することになるでしょう。ただ病気によって、人によって発症の時期はまちまちです。たとえば白血病なら20年後というケースもありますが、甲状腺がんは5年後くらいでなることが多い」

脳や精神面、心理面ではどんな影響が出てくるのか。

チェルノブイリの経験から言うと、まず津波地震、身内の死などによるPTSDを発症する人が多数いるでしょう。放射能の影響を受けるのではないかという恐怖心から精神的に不安定になる人も出ます。アルコール依存症になったり、暴力的になったりする人もいるかもしれません」



ロガノフスキー氏は、実は福島第一原発事故直後に日本に援助の手を差し伸べようとしていた。

「私たちにはチェルノブイリでの経験があるし、たくさんのデータも持っているので、いろいろな面で協力できると思ったのです。そこで知り合いの医師たちを集めて、キエフ日本大使館に出向きましたが、門前払いされました。

チェルノブイリ事故が起きたとき、ソ連政府のアレンジによって、モスクワから心理学者や精神科医などからなる優秀なチームが避難所にやって来ました。彼らは地元ウクライナのスタッフと協力して被災者のケアに当たってくれたのです。福島ではそういうことがなされているのでしょうか。

ウクライナは裕福な国ではありませんが、チェルノブイリでの豊富な経験があります。私たちは今回、日本政府からお金をもらおうとして行動していたわけではありません。無償で協力しようとしただけなのです。拒否されるとは思わなかったので、とてもショックでした。

ロガノフスキー氏は、日本政府の姿勢に対して不信感を持っている。それは援助を断られたからだけではない。

「当初、発表された福島原発から漏れた放射性物質の量は実際とは違っていました。国と国の交流に大事なことは正確な情報を公開することです」

では、日本政府が定めた「年間20ミリシーベルト、毎時3.8マイクロシーベルト」という被曝限度量については、どう考えているのか。

「一般人は年間1ミリシーベルト原発関連で働いている作業員は20ミリシーベルトが適性だと思います。これが国際基準です」

つまり、日本政府の基準を鵜呑みにしては危ないと考えているのだ。さらにロガノフスキー氏は低線量の被曝でも健康被害はあると指摘する。

「値が低ければ急性放射線症にはなりませんが、がんに罹りやすくなるなど長期的な影響はあります。そういう意味では低線量被曝も危険です」

これが、ロガノフスキー氏が長年、行ってきた低線量被曝が健康を害するかどうかの研究の結論である。氏は「ノルウェーでも同じ結論を出した学者がいる」と話す。



子供はなるべく遠くへ逃げなさい

だとしたら、どうやって自分や家族を守っていけばよいのだろうか。とくに子供や妊婦はどうすればいいのか、ロガノフスキー氏にたずねた。

「まず最も大事なのは正確な線量の測定をすることでしょう。いま私が座っているところが安全でも2m離れたあなたが座っているところは危険かもしれないからです。福島や東京にもホットスポットがあるようですが、チェルノブイリでも同じです。原発を中心に円を描いても、その内側に安全なゾーンもあれば、外側に危険なゾーンもあります。だからこそ住んでいるところの線量をきちんと測る必要があるのです。

次に大事なことはクリーンな水と食べ物を口にすることです。日本政府が定めている基準より線量が低いからいいというのではなく、私は完全にクリーンなものだけを摂ることを勧めます。これはあくまでも内部被曝の問題だからです。一度、体内に入ってからでは遅すぎます」

そして、氏は政府や東電にも専門家の立場から注文をつける。

「被災者や国民への精神的なサポートをきちんとやることが大切です。人間は不安の中で生活すると脳や精神面に悪い影響が出ます。それは放射線を浴びる以上によくないことかもしれません。そんな不安を軽減するためには正確な情報が必要です。日本政府や東電は情報を隠蔽したり、ウソの情報を流したりしたといわれますが、それは絶対にやってはいけません」

ロガノフスキー氏は、私たちに最後にこうアドバイスした。

「子供はとくに放射線の影響を受けやすいので、本当は海外に出るのがいいと思いますが、現実にはみななかなかできないでしょう。だからせめて、できるかぎり線量の高いところから離れて暮らすよう心がけてください」



http://www.globe-walkers.com/ohno/interview/loganovski.html(2011年8月19日入手)


上記記事によるとロガノフスキー氏らを門前払いした、ウクライナ大使伊澤正

http://www.ua.emb-japan.go.jp/jpn/embassy/ambassador/greeting.html










★追記(2011年8月20日


★【官僚VS福島の子どもたち】

 子どもたちの命を虫けら扱いの官僚たちの発言。さらにこの発言から見えてきたことがある。人の命を守るために必要な避難・移住の費用をケチって安全デマを流したい官僚が除染を利用するということだ。除染は、こういう官僚たちの言い訳に利用される。


ところで、公的な責任を問われる役人は実名で言動を公表すべきではないか。

文科省のイシダ氏
内閣府のキンジョー氏
はフルネームの実名で公表したらいいのではないか。
もちろん彼らは国民が税金で雇う公僕として解雇すべきだ。小学生にもわかる論理で、「Xにつて質問」→「XではなくYについて答え」という発言を意図的にしているのならば、東大を出ていようが、公務員一種の試験に合格していようが、即地位を剥奪しなければならない。こんな役人を税金で雇っていてはいけない。

報道のルールはどうなっているのか。イシダとキンジョーは実名で報道し、国民は省庁に解雇を要求してしかるべきではないか。

福島の子供が疎開求め政府と交渉―マイク押し付け合い回答避ける官僚たちのお粗末


2011年8月18日 04:08



友達40人のメッセージを官僚に渡す福島の子供たち。(17日、衆院第1議員会館。写真:筆者撮影)

 「皆と疎開させて下さい」「将来ガンになると困っちゃう」……被曝した福島の子供たちが17日、国会内で政府の役人と交渉し現状の改善を求めた。(主催:子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)

 原発事故の一番の犠牲者である子供たちの声をじかに役人に聞いてもらうのが、この日の交渉の狙いだ。福島の子供たち4人(小学校3年生〜中学校2年生)が、政府の役人10人(内閣府経産省原子力安全保安院文科省)と渡り合った。会場の衆院議員会館には首都圏などから500人が詰めかけ熱心に耳を傾けた。

 子供たちは自宅で書いてきた手紙を読み上げながら、次のように切り込んだ――

 「私たちは原発事故以来、外遊びをしていません。友達は家を追われました。責任を取って下さい」。(小林茉莉子さん・小5)

 「大人が勝手に作った原発でなぜ福島の子供たちが被曝しなければならないのですか? 私は6月に転校してとても悲しい思いをしました。私の前にも後にも友達が転校して行きました。皆バラバラになって行くのは耐え難く悲しいことです…(中略)…私たちが学校の友達と安全に避難できるように考えて下さい」。(橋本伽耶さん・中2)

 役人たちは次のように答えた――

 「除染して早く帰れるよう努めてまいりたい」(内閣府)。 
 「安全の確保に努めている所です」(原子力安全保安院)。
 「関係各省庁と連携を取ってやってゆきたいと思います」(文科省)。

 筆者は耳を疑った。政治家を相手に話しているつもりだろうか。官僚答弁に場内から失笑が漏れた。

 「集団疎開をどうして実現して頂けるのか、子供たちは質問しているのですが」。余りにも的はずれな回答に、司会者が軌道修正を求めた。

 すると役人たちはマイクを回し合って、答えるのを避けようとした。一巡したところで観念したのか、文科省のイシダ氏が“答弁”した――

 「友達と一緒に学校に行きたいと受け止めました。原子力発電所が安定し、学校がきれいになれば、みんな安心して学校に行けます」。

 『子供だまし』という言葉があるが、こんな回答には子供も騙されない。中学2年生の橋本伽耶さんが切り返した――

 「学校がきれいになっても町がきれいになっても安心できないから、こうやって手紙を書いてきたんです。よく考えてお話しして頂きたいです」。

 役人たちは、当たり障りのないように切り抜けることだけを考えていたようだ。そのうえで政府の考えを植え付ければ御の字と思っていたのだろうか。ひどいのは内閣府のキンジョー氏の回答だった―

 「地元と話しあって避難区域の解除に努めてまいりたい」。

 場内から激しいブーイングが起きた。子供たちの要望とは逆の答えである。小学校5年生の小林茉莉子さんが「集団疎開のことを聞いているんですけど、まだ答えて頂けていません」。

 役人たちは沈黙するしかなかった。

 40分余りにわたる子供たちと役人の交渉はこんな調子に終始した。感想を子供たちに聞いた―

 「将来ガンにならないために疎開しないといけないんだけど、あのオジサンたちは真剣に聞いてない感じがした」(小林茉莉子さん・小5)

 「大人なのになんで子供の質問を聞いていないのか?」(宗像留椰君・小5)

 「集団疎開が決まっていないなら『決まっていない』と答えてくれればいいのに。質問をはぐらかされてガックリ」(橋本伽耶さん・中2)

 「きれいな空気が吸いたい」「友達と離れるのがイヤです」……友達40人のメッセージを携えて張り切っていた子供たちの期待は完全に裏切られた。被曝し、クラスメートとも離れ離れになり心身ともに傷ついている子供たちを、政府の役人がさらに傷つけた。


「死にたくない」「きれいな空気が吸いたい」・・・役人たちは手渡された子供たちのメッセージを読んだのだろうか?(筆者撮影)


田中龍作ジャーナル

http://tanakaryusaku.jp/2011/08/0002800(2011年8月20日入手)より








★【行政が調査をすると低い数値しか出ない。前出の川根眞也氏は中学校校庭の土壌を毎日のように調査している。だが行政は川根氏が校庭から離れた時にこっそりやって来て調査をする。発表される数値は最低値だ】


首都圏の土壌汚染深刻 35地点でチェルノブイリと同レベル


 「放射能雲が関東地方を襲った3月15日夕方以降、さいたま市川口市では(外の)空気さえ吸ってはいけなかった」。こう語るのは埼玉県の中学校で理科教師をつとめる川根眞也さんだ。風が福島から関東方面に吹いたこの日、川根さんは放射能測定器で両市の放射線量を計った。

 「安全だ、心配ない」を繰り返す行政の発表やテレビの報道とは裏腹に関東地方は、やはり高濃度の放射性物質で汚染されていた。市民有志からなる「放射能防護プロジェクト」が首都圏150か所の土壌を測定したところ、35地点でチェルノブイリ原発事故の「一時移住区域」「希望移住区域」「放射線管理区域」と同じレベルのセシウム(合算値)が検出された。

 調査方法は表面から5cm、砂場は15cmを採取した。期間は6月初旬から7月中旬。市民150人が1人1カ所ずつ身近な場所の土壌を採取し、すべての検体を横浜市内の民間調査機関に持ち込んだ。

 調査地点のうちセシウム汚染が最高値を記録したのは埼玉県三郷市早稲田植え込みで91万9,100Bq/?。チェルノブイリ事故の「一時移住区域」(移住・立ち退きの義務がある)と同じレベルだ。
 
 次に高かったのが千葉県松戸市紙敷の園庭で45万5,845Bq/?。チェルノブイリ事故の「希望移住区域」(移住の権利が認められる)に匹敵する。松戸市はじめ首都圏の5ヵ所でこの「希望移住区域」と同レベルのセシウム(合算値)が検出された。

 チェルノブイリ事故の際設けられた「放射線管理区域」に相当するのは東京文京区小石川4丁目の植え込みをはじめ29ヵ所。
 
 チェルノブイリ事故では行政が住民を大量に避難させたが、それでも後にガンや白血病が多発した。首都圏では行政が「避難」の二文字を発する様子はない。事故を起こした福島第一原発間近の福島市においてさえ、政府の現地対策本部は「国が安全と認めた所には強制はしないが留まっていただく」と冷淡なのである。

 調査に加わった横浜市内のある母親は嘆息しながら語る。「私たちが暮らす場所にこんなに放射能が降り積もっていたのかと驚く。子供は泥んこになって遊ぶので心配です」。

 「放射能防護プロジェクト」のメンバーである内科医の土井里紗さんは、被害の拡大を警戒する。「チェルノブイリ地産地消だったが、日本は流通が発達しているので(汚染食品が)一気に広がる。チェルノブイリ以上に体内被曝が広がる可能性がある」。

 防護プロジェクトでは菅直人首相と関東1都6県の知事宛てに、行政が「土壌調査」を行うことなどを要望した。

 ところが行政が調査をすると低い数値しか出ない。前出の川根眞也氏は中学校校庭の土壌を毎日のように調査している。だが行政は川根氏が校庭から離れた時にこっそりやって来て調査をする。発表される数値は最低値だ。川根氏は「行政の調査には必ず市民が立ち合う必要がある」と強調する。

 行政とマスコミの「安全情報」を鵜呑みにしたら取り返しのつかない被曝をする。飯舘村の悲劇はあらためて言うまでもない。「放射能防護プロジェクト」の今後の活動について川根氏は「先ず情報公開」と力を込めた。

全データは http://www.radiationdefense.jp/

田中龍作ジャーナル
http://tanakaryusaku.jp/2011/08/0002744(2011年8月20日入手)より


★追記(2011年8月21日)

★8月20日の追記【官僚VS福島の子どもたち】の実況中継をユーチューブで見つけた。
この役人たちは、本当にひどい。まず役人個人個人に責任をとらせること。
このビデオは証拠として、役人解雇の裁判に使うことができるのではないか。
ところで、わたしはIT知識がほとんどない不器用人なので、動画を保存するしかたがわからない。保存できる器用人の人は証拠として保存しておいてほしい。それぞれが得意分野で力を尽出して、子どもたちの命を役人どもから守ろう。

7−1 http://www.youtube.com/watch?v=d9Mcje3jvNo&NR=1
7−2 http://www.youtube.com/watch?v=lZWTTchml9s&feature=related
7−3 http://www.youtube.com/watch?v=u4HW5K1lZBI&feature=related
7−4 http://www.youtube.com/watch?v=XyR6jEcFYp4&feature=related
7−5 http://www.youtube.com/watch?v=ncMwHR6PEAc&feature=related
7−6 http://www.youtube.com/watch?v=6ViGSoLOYks&feature=related
7−7 http://www.youtube.com/watch?v=K3II4P2zxUA&feature=related